2011/05/29
今年の初め。
一月のことになりますが、鈴木秀子さんの講演会にいってきました。
鈴木秀子さんはカソリックのシスター。
東京大学大学院人文科学博士課程修了。イタリア・フランスに留学。スタンフォード大学で教鞭をとり、聖心女子大学教授(日本近代文学専攻)を経て、現在、国際文学療法学会会長および国際エニアグラムカレッジ代表。
また、カソリックのシスターとして、死に瀕した方々と一緒に過ごすという活動を長い間しています。

彼女の「死にいくものからの言葉」という本はその実話を書かれたもの。
何度も読み返した、私の大好きな本です。
私が、足利工業大学で定例のように、毎年、行われている、この講演会にいったのは、この時が二回目。

初めていった2010年の講演会のテーマは「しあわせを呼ぶ生き方」

2011の講演会のテーマは「家族の絆」でした。
今年(2011年)の講演会は、講演者が演壇で話をするという、通常の講演会スタイルでしたが、2010の講演会は、ちょっとしたワークショップ風?に演習を交えたもので、印象深いものでした。
去年、ブログに書こうと思いつつ、書き損ねてしまった、その2010の講演会のことを、今回、書きたいと思います。

明るく、軽やかな、少女のような雰囲気の鈴木秀子さん。
うーん。とても80才近い年齢とは思えない…。
まず、鈴木秀子さんの挨拶と軽いお話のあと、舞台で、彼女の演出による寸劇が行われました。
ストーリーは、、飲み会で深夜に、帰ってきた娘をお父さんが心配をして…。
という、どこにでも起きる、ありふれた日常の一コマを2パータンに分けて演じたもの。
講演会の女性スタッフが、酔っぱらって帰ってくる娘さんの役を、ちょっと年配の男性スタッフが、やきもきしながら娘を待つお父さんの役を演じます。
と、これ、なかなかの演技で、笑わせてくれます。
最初のパターンでは、午前様の娘を、玄関でいきなり父親が怒鳴りつけ、そこからは、売り言葉に買い言葉。
娘は、とうとう、家を出て行ってしまう…。というもの。
そして、次のパターンは、帰ってきた娘に、どんなに心配をしたか、そして、その心配は相手を大切に思っているからだということを、父親がやさしい言葉で伝えます。
娘は自分の行動を深く反省し、その夜はお互いにしあわせに気持よく眠りにつくことができます。
気持ちを伝える言葉を大切に選ぶということ、しあわせな、よい場を作るためには、自分が相手の気持ちを汲み取り、よい連鎖を作っていくこと。そういった、鈴木先生のメッセージが、スタッフの熱演?の力も加わり、臨場感をもって強く伝わってきました。
そして、この次には、鈴木秀子さんが会場の人達に小さなセッションを出しました。
「聞くだけというのは、やはりすぐに忘れていまいます。今日はみなさんに実際にやってみて貰いたいと思います。」
「まずお隣の人とペアになって向きあってください。」
「そして、相手をこの世で一番大切な人だと思って、相手の話を三分、微笑みながら、黙って、頷きながら聞いてください。」
私の隣に座っていたのは、もちろん、バリバリの初対面の、30代くらいの男性…。
反射的に思ったのは「えー、ちょっとぉ(ノ_-。)いきなり、そんなの無理…。」
しかし、今更、帰ることもできません。
たぶん、お互いに、複雑な心境で、照れ、戸惑いながら、半分ヤケクソ(笑)の気持ちで、その指示通りに。
黙って微笑みながら、ひたすら相手の話を聞く…。
世界で一番大事な人だと思って…。
この時、相手の方が話されたこと、その正直な表情は、不思議なことに、一年以上だった今でも覚えています。
また、結構長い人生を生きてきましたが、たった三分間で、この時ほど、初対面の相手に親近感を持ち、やさしい気持ちになったことはなかったように思います。
セッションは続いていきます。
「今度は、相手の方と手を繋いで、その手の温かさを感じて、よい宇宙のエネルギーを送ってください。」
これは坐禅とそっくりの呼吸法に合せて行います。
「はい。今度は、自分の大切な人を思い浮かべて、その人に良い宇宙のエネルギーを送ってくださーい。」
この時私はちゃま姫にエネルギーを送りました。
鈴木秀子さんが話を初め、いくつかのセッションを重ねてから、会場の雰囲気が、大きく変化をしていました。
会場中が笑顔と笑いに満ち、さまざまな憂いが忘れられ。
そこにいる全員が、心からリラックスをして、オープンになっているのが、はっきりと感じ取れるのです。
うーん、おそるべし、鈴木マジック…。
彼女は、自身のことを綴った本で、臨死体験をしたこと、また、そのあとに人の心身を癒す不思議な超能力のようなものが身についたことを書いていますが、これはそういった方向の力ではなく、深層心理学の熟知と、的確な心理操作の実践体験の力のように思われました。
もちろん、彼女の利得に捉われない、純粋な雰囲気と波動が、人に及び、心を開かせ、そこから導けるものなのでしょうから、テクニカルな行為主体の行動療法とは、また違うのですが。。。
こののち、ふたたび、鈴木秀子さんのお話になり。最後に質疑応答があり、講演会は終了となったのですが。
自らの善性を鍛練した人の、すごさ。
また、本当に繊細でやわらかな、変化しやすい、人の心というものを感じた講演会でした。
ところでちゃま姫…。
私の送った「よい、宇宙エネルギー届いた?」
は?何?いいのょ……なんでもない…(ノ_-。)その2に続く…。